読書感想文130
今回、ご紹介するのは久しぶりに司馬遼太郎著の本で『風塵抄二』です。
この本は、産経新聞の朝刊に連載されていた物を纏めた61編の短編集です。
その中でも「島の物語」や最後の「日本に明日をつくるために」が印象深く記憶に残っています。
島の物語では、カムチャッカ半島から北海道まで首飾りの様に24ほどの島々があり、これが千島列島で1875年に日露間で調印された〈千島・樺太交換条約〉で日本領と認められているにも関わらず、日本が連合国に降伏した三日後にソ連軍が侵攻してきたと言う驚かされる事実が書かれています。
また、日本に明日をつくるためにでは、土地に対するバブル的な投資に警笛をならし、土地を無用にさわる事がいかに悪であったかを述べられています。
司馬遼太郎さんの、造詣の深さと創作意欲に満ちあふれた一冊です。